秋真っ盛りの秋葉街道ツーリング

                   このレポートは京都クロスカントリースキークラブ中尾昌史さんの文章と写真を、
                   ご本人のご了解を得て転載させていただいたものです。

   2008年11月1日〜3日
   参加者:中村(CL)、大保(SL)、田中美、下玉利、中島、畑、中尾(記)

 2年越しの計画で、杖突街道、秋葉街道を経由してJR平岡駅に至るコースをサイクリングした。
杖突峠・高遠町・大鹿村 南アルプスの山裾の谷間を走る一本道で中央構造線沿いに天竜川と並行して伊那谷へ向かう道である。
 京都から新幹線、特急を乗り継いで、茅野駅到着。 自転車を組み立て、杖突峠へ出発。だらだら坂を登ると時折樹間から茅野の街が見えます。
さらに登って行くと八ヶ岳・蓼科・霧ヶ峰方面の稜線がはっきりしてくる。小一時間も登ると、眼下に諏訪盆地、 左方面に霧が峰・蓼科山、 右方面に八ヶ岳連峰が見渡せる絶景の地に到達した。
その後さらに登り、やっとのことで標高1245mの杖突峠に到着した。峠の茶屋があり、有料の展望台があるが、 途中休憩したポイントからの眺めの方が良い。 車で走っていたのでは気がつかずに通り過ぎているところであるが。
 峠からは下りで小彼岸桜で名高い高遠城址公園へ向かう。公園内には大奥事件で有名な絵島遠流の地(絵島屋敷)を見学した。 大奥の権力争いは恐ろしい。
見学も早々に今夜の宿の南アルプス登山の玄関口、仙流荘へ向った。夕暮れも近くなって宿に到着した。 さすが信州だけあって夕暮れ近くになると気温も10℃を下回るほど下がってくる。 宿の到着後すぐに冷えた体と杖突峠の登りで披露した体を湯に浸かって休めた。 おいしい山の食事をいただいて明日に向けて早々に就寝した。 (1日目走行 40km、標高差 470m) 

 翌朝は雲一点ない快晴で昨日到着した時は暗くなっていたので気がつかなかったが、宿の前の紅葉もきれいに色づいていた。
行程に余裕があったので、宿からさらに奥の南アルプススーパー林道に向かって自転車を走らせた。 奥に行くに従って木々の色づきが濃くなり、 秋真っ盛りという様相であった。林道は途中大きな柵で車や自転車の通行が遮られていた。 目の前に仙丈ヶ岳が遠望できた。しかたなくここでUターンし、次の目的地分杭峠を目指すことにした。
途中道端に案山子が10体ほど立っていた。皆それぞれ違う装束をしており、中にはユーモラスな格好で、 荒川静香がアイススケートで見せたイナバウアーの格好をした案山子があった。 これが皆におお受けでめいめい格好をまねて写真に収まるが、 ・・・・さんなどは大きな腹をつきだして、目も当てられないイナバウアーでみんなで大笑い。
 最初は軽快な下りであったが、すぐに昨日の杖突峠にも増して急な登りとなり、軽自動車ならセカンドギアで登るほどの急坂に 遭遇した。 途中零磁場地帯といわれる訳の分からないポイントを通過し、さらにヘアピンカーブの坂を、自転車を押たり乗ったりして にじり登った。 分杭峠の名の由来は「是より北高遠藩」の杭があった事に由来するそうだ。標高は1427mで520m登ったことになる。
 分杭峠からは大鹿村へは広葉樹の中を豪快なダウンヒルを楽しんだ。この道は中央構造線と平行して下っており、 一カ所大断層が地表に顔を出しているところがあり、3重に重なり合った明らかに成分や色が違うと思われる断層面を見ることが 出来た。
2日目は鹿塩地区に3軒ある温泉の内の1軒に泊まった。山奥なのに塩辛い、不思議な温泉の宿です。 塩分濃度は、海水と同じ4パーセントですが、 含まれるミネラル分が異なることから、断層(中央構造線)に閉じこめられた化石海水ではないとされている。 ニガリ成分を含まない海水だそうだ。現在も塩水を煮詰めてお土産用の塩を製造している。おいしい地元の料理をたらふくいただき、 今日一日のしんどかった行程や案山子のイナバウアーを魚に夜の宴会を楽しんだ。 (2日目走行 40km、標高差 520m)

 翌日は早めの朝食を済ませ、大鹿村の県無形民俗文化財大鹿歌舞伎の舞台を見学した後、今日の終着点のJR平岡駅をめざした。 地蔵峠への道が通行止めということで、計画を変更して松川町から天竜川沿い下ることにした。 小渋湖沿いに対岸の紅葉を眺めつつ軽快に下った。
松川町に到着後、途中ビニールハウスや農家小屋に中でタマすだれのように干し柿をつるしてある集落を通過した。 昼食は天竜川の川原で宿で作ってもらった、 鹿湯温泉特製の塩でむすんだおむすびですませ、天竜川沿いに一路JR平岡駅を目指した。天竜下りの付近では川幅が狭く 、急流や奇岩の景色が見られた ここまで下ってくると紅葉はもう一つというところであった。 CA9SEQ2D
   ここからの道は地元の方に教えていただいたのだが、車では難なく行けそうな口ぶりであったが、 山間のアップダウンの激しい道が何度も何度も出てきて、 みんなかなり体力を消耗していった。これが最後の登りと思って力を振り絞って登っても、 また下って登るということの繰り返しでギブアップ直前。 しかし電車の時間があるので最後の力を振り絞って列車出発時刻の30分前に滑り込みセーフ。期待していたおいしいソバもパスし、 大急ぎで自転車を輪行バッグに詰め込み、可能な者だけ駅構内にある温泉に浸かった。余裕の無い人には気の毒だったが、 今日後半の大汗と疲れを温泉の湯で洗い流した。300円と価格もリーズナブルで価値のある温泉だった。
予定していた列車に乗車後、京都でたどり着き解散となった。(3日目走行 80km、標高差 何度もアップダウンがあり不明 )

 3日間絶好の天候に恵まれ、空の青、紅葉の赤やカラマツの黄葉、南アルプスの冠雪の白と4段、5段染めを楽しめ、 充実したサイクリングでした。 計画をしていただいた中村さんに感謝申し上げます。同行の皆様大変お疲れ様でした。

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