+ 私の定年後・イギリス旅行

旅行記(2015年6月)


旅行好きの私だがイギリスに行きたいとは思わなかった。 基本的に英語圏には行きたくない(唯一の例外はアイルランド)。
NINA会で今年はイギリスに行くことになった。 この会のヨーロッパ旅行はこれが最後となりそうなので参加することにした。






6月3日(水)

総勢20名が関空に集合してエミレーツ航空にてドバイへ。 ドバイまで10時間、待ち時間2時間半、ドバイから8時間、計20時間以上をかけてイングランド北部のニューキャッスルへ。
老躯に長旅はつらい。




6月4日(木)

午後1時、ニューキャッスル空港から貸切バスでハドリアヌスの城壁に向かい、 ハウステッドに残る2世紀の要塞址を散歩する。兵営や浴場の跡もある。 ローマ皇帝ハドリアヌスがケルト人の侵入を阻むため、ブリテン島の最も狭い部分を東西120kmにわたって横断するように建設した防塁の跡である。 のちにはスコットランドに対する防塁として使われたらしい。 いまは世界遺産となっている。


次にイングランド北西部にある湖水地方に向かう。ここは風光明媚なリゾート地で草原地帯のなかに 多数の湖が点在する。最初に訪れたライダル・マウントはライダル湖畔にあり、ロマン派詩人ワーズワースが晩年を 家族とともに過ごした家。庭も自分で設計したものとのこと。しゃくなげが美しい。
 14年前、ワーズワースの詩にジェラルド・フィンジが曲をつけた”不滅の暗示”を コーラスで歌ったことを想い出す。

ホテルは北方ケズウイック近くのロードアー・フォールズ。ここで連泊する。


6月5日(金)

きょう一日は湖水地方ですごす。 まずウインダミア湖に向かい”ピーターラビット”の絵本作家ビアトリクス・ポターの家 、ヒルトップ農場を訪れる。 次いで湖畔でアフタヌーンティーの昼食をとり、45分の湖水クルーズを楽しむ。 更に近くの”ポターの世界”館を訪れる。 次に昨日行けなかったダヴ・コテージ(ワーズワースの生家)へ。 ホテルの夕食(カレイ料理)でワーズワースの詩”Daffodil”が話題となり、 関連してロバート・ブラウニングの詩が思い起こされた。

    時は春
    日は朝(あした)

    朝は7時
    片岡に露満ちて

    揚げ雲雀名乗り出で
    かたつむり枝に這い
    神、空にしろしめす。

    すべて世はこともなし。

上田敏のこの訳はむかし教科書に載っていた。



6月6日(土)

湖水地方をあとにして一路南へ。4時間かけてウエールズに到着。 強風のなか女性の現地ガイドさんに案内されて、コンウイ城を見学。

13世紀、イングランド・プランタジェネット朝のエドワード1世(フランス人)は 祖父ジョン王がフランス王家と争ってフランスにおける本拠地の大半を失い ブリテン島で生きていくしか道がなくなった結果、ケルト人の地スコットランドを侵し、 ウエールズを征服し支配下に収めた。そのために築いたコンウイ城は ケルト人を威圧するに十分な迫力があるように見える。 エドワード1世はウエールズにこのような城を10か所も築いたという。

次に訪れたのはボドナント・ガーデン。黄金色の藤棚(キングサリ)の下を歩いたり 1時間で広大な庭園の一部を散歩。

チェスターに着き今夜の五つ星ホテル、グロブナー&スパにチェックイン。 荷物を置いて皆で市内散歩に出かける。 チェスターはローマ時代にさかのぼる古い町で、木組みの店が立ち並び 、その2階部分はつながっていて商店街のように歩きまわれる。ロウズというらしい。街を囲む城壁はその上を散策できる。 城門の外にローマの円形劇場跡もある。


6月7日(日)

朝食前に散歩に出かけ、城壁の上からディー川に架かる橋をスケッチする。
チェスターはウエールズではないが、今日は再度ウエールズに入って スランゴレンで産業近代化遺産ポンテ・カサステの水道橋を歩く。橋の上に運河が流れ 幅の狭いナローボートが航行する。不思議な風景だ。

次にスランゴレンからカロッグまで保存鉄道SLに1時間の乗車体験。


続いてシェークスピアゆかりのストラットフォード・アポン・エイボンへ。 マナーハウス(昔の荘園領主の館)にチェックインの後、全員で街を歩きエイヴォン川の水辺を散策。 シエークスピアの生家、通った小中学校、墓のある教会など。 生家には後刻再度訪れたが閉館直後で入場はかなわなかった。






6月8日(月)

朝食前、散歩に出る。王立シェークスピア劇場付近を散歩してスケッチ。

今日はコッツウオルズへ。
丘陵地帯に小さな村が点在。この地方で採れるハチミツ色?の石灰岩ライムストーンに彩られた民家の家並みと田園風景は 絵画によく描かれている。 まずはウイリアム・モリスがこよなく愛したバイブリー、
次に小川にアーチ状の石橋がかかるボートン・オン・ザ・ウオーターへ 更に羊毛取引で栄えたというチッピング・カムデンを訪れる。


牧草地の丘に建つブロードウエイタワーにのぼる。 この塔は有事の際にのろしをあげるために建てられた由。

ヒドコート・ガーデンを訪れる。 今日も昨日と同じホテルに宿泊。


6月9日(火)

オックスフォードへ。 クライストチャーチ・カレッジに入場。 大聖堂に入る。ウイリアム・モリスのステンドグラスなど、 図書館など散策。

最終訪問地ロンドンへ。 まずは大英博物館に。ロゼッタ石を見る。南方熊楠の足跡を見たかったがかなわなかった。 ウエストミンスターからロンドン塔までテムズ川クルーズを楽しむ。 ヒルトンホテルで連泊。


6月10日(水)

朝、Tさんと散歩に出かける。 パディントン駅に近いホテルからハイドパークに向かい三角形を描くように戻ってくる。

朝食後バスでウエストミンスター寺院へ。 ここは11世紀にフランスのノルマンディーからやって来てイングランドを征服したウイリアム1世以来、歴代のイングランド王が戴冠式をしたところとして有名。

次いでビッグベン、国会議事堂を見たあとバッキンガム宮殿にて11時から衛兵交替式を見る。宮殿には英国旗が掲げられ女王不在を示している。
セントポール寺院を見たところで私を含む4名が一行から別れて美術館巡りをする。 タクシーに乗ってまずコートールド美術館へ。こじんまりした美術館だがセザンヌなど見ごたえがあった。 タクシーで今度はナショナル美術館へ。ここは全部見るわけにいかないので重点を絞って見て回ったのちタクシーでデパートHarrodsへ。 ここで買い物熱心な皆さんと合流して、最後の夕食はフィッシュ&チップス。


6月11日(木)

今日も散歩に出かける。昨日とは少し違うコースをとる。
朝食後、空港に向かう途中、リージェントパーク内にあるクイーン・メアリーズバラ園に立ち寄る。 ヒースロー空港から帰国へ。


6月12日(金)

イギリスの天気は曇りがちで雨もよく降ると聞いていたが 今回の旅行期間中は全般的に好天に恵まれラッキーであった。
またちょうど花のシーズンで、各地でバラ、シャクナゲ等いろいろな花を楽しむことができた。
しかし気温は予想以上に低く、寒い思いもした。


(完)
                                      


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