12/28夜。十分な余裕をもって家を出た。ところが京阪七条で降りようと、網棚の
スキーをおろしかけたが、スキー袋についたフックが網に引っかかってはずれない。 やっと取れたかと思うと今度は反対側が引っかかる。あせる小生を尻目に無情にも
ドアは閉まり電車は動き出す。
U氏邸に着いたが応答なし。小生を待ちきれずに家を出たらしい。それもそのはず、
出発時刻まで20分しかない。集合地点のMIDバスパーキングに急ぐ。途中JR京都駅八条口で、
ここを集合場所と思い込んだT氏とばったり出会い一緒に先を急ぎ、からくも間に合う。
29日。ホテル(熊の湯)に着いたのは朝6時半。荷物を置き朝食後支度をして
さっそくXCツアーに出発。48池に向かう。すばらしいパウダースノーだ。風はないが気温は
低い。Y氏のミニ温度計によるとマイナス5度だが、もっと低いように思う。
手袋のなかの指が痛い。コースはゆるい登り。T氏は短いスキーで苦戦の模様。
48池に着いたが池は雪に埋もれて見えない。休憩所でリーダーのN氏が用意してくれた 鍋料理にとりかかる。肉や野菜は十分あるが、燃料が使いさしの小ガスボンベ一個で
はなはだ心もとない。それでも何とか数ロットの鍋料理をこなし昼食を終える。
大沼池を経て大きく左回りで一周する予定であったが、寒さと夜行疲れ、今シーズン初日
など考慮して来た道を引き返す。あとはゲレンデで滑った。
ホテルの”ほたる温泉”は、大きいが匂いもなく温泉の雰囲気はあまりない。
夕食はバイキング。I氏は食べきれないほど取って来ては残してしまう。
乾杯の前に一杯のメシを食うのはU氏流。
各自思い思いの食べかたをしながらXC談義、歴史談義、血液型談義に花が咲く。
30日。朝食のバイキングでは、みんな昼食用にパンやジャムで懐をふくらませながら
部屋に引きあげる。本日の予定は横手山-渋峠-山田峠-白根山方面のXCツアー。
リフト3本を乗り継ぎ横手山頂へ。渋峠まではスキー場を滑る、そこからは芳ケ平を左に
見ながら林道を歩く。このあたりは2年前草津温泉に泊まってXCツアーをしたエリアだ。 いつか登った笠ケ岳がそびえる。
上空をヘリコプターが頻繁に飛ぶ。山田峠を経て万座温泉スキー場最奥のリフト降り場に着く。
U氏、N氏は万座温泉に入るつもりだったがリフトが動いていないので断念。
昼食をとり帰路につく。M氏、T氏はスキーをはずして白根山アタックを試みるがツボ足では 無理であった。
31日。今日はゲレンデスキーの日。30代のY氏を含め全員シニアの1日リフト券を買う。
焼額山で滑るべく一の瀬までシャトルバスに乗る。
20-30分で着くつもりが、同じところを2度回ったりして1時間かかる。
まず寺小屋山を滑ったあと、
全員でリフトやゴンドラを乗り継ぎ焼額山頂上に出る。ここは奥志賀から野沢温泉に至る 40kmツアーコースの起点でもある。帰りのバスで座れるようにと向こう側の
奥志賀高原スキー場を滑る。T氏は急斜面をあっという間に降り、 S氏がきれいな弧を描いてそれに続く。結局、巨大なスキー場群の端から端まで来たわけだ。
帰りのバスは1時間半かかった。夕食後T氏は家族サービスのため1日早く帰っていった。
大晦日の夜、”紅白歌合戦”を見たいM氏と反対派に分かれるが、反対派が大勢を占める。
ところが実際には、みんな集まってわいわいがやがやいいながら見始めた。
反対派のはずのN氏、U氏も結構楽しんでいる。本音と建前が違うのだろうか?
根っからの反対派であるH氏にとっては、この状況は我慢ならない。
この低俗きわまる番組を見させられることは拷問に等しい。目はふさいでも耳はふさげぬ。
ひとり先に寝ようにも自分の寝る場所でみんながTVを見ているではないか。
しばらくの間辛抱していたが、ついにキレる。
17歳も61歳も切れる時は切れる。H氏、いきなりリモコンスイッチを 切って叫んだ。”ええかげんにしてくれ!”。一同あっけにとられる。そして・・・
しかしH氏の突然の乱心については、当人もあとで深く反省したはずである。
それにしてもインテリ中のインテリともいうべきM氏と かの番組とは、H氏の頭の中ではどうしても
結びつき難いのであった。
かくて究極の世紀末の夜は、波乱のうちに幕を閉じる。
あけて元日、すべてをリセットして雑煮で新世紀を祝う。天気は荒れ模様。
I氏、Y氏はスキー組、残る5人は地獄谷温泉組に分かれる。
温泉組はシャトルバスで上林温泉へ。そのあと横湯川沿いの細い道を
スキーを履いて行くが、雪が少なくて途中で脱ぐ。バス停より30分。
ようやく対岸に地獄谷温泉旅館(後楽館)が見えてくる。あちこちに猿が姿を見せる。
晴れ間も拡がり なかなかの風情である。500円也を払って野猿公苑に入る。
猿専用の立派な温泉がある。その中に、いるわいるわ20匹以上が
2−3匹ずつかたまって毛ずくろいをしている。
食っちゃ−浸かり、浸かっちゃ−寝の言うことなしの人生(猿生?)だ。うらやましい。
一段高い岩の上にボス猿?が睨みを利かせている。これは、うらやましくない。
噴泉塔から湯が迸っている。そのあと旅館で風呂に入る。こじんまりとした男女別の
内湯と混浴露天風呂。先客の話によると、さきほど猿も露天風呂に入り、 ついでに栓を抜いてしまったので、湯が溜まるまで少し時間がかかるとのこと。
露天風呂をでた後、名物のそばと粽を食べついでにビールも飲んで ちょっとした新年会となった。帰りは温泉ハンターのH氏にU氏、N氏が付き合って
上林温泉にも入った。
熊の湯に戻ってからも熊の湯ホテル(U氏によると元祖)の温泉にも浸かって 温泉ハントの総仕上げとする。