信州サイクリング ( 麦草峠/美ヶ原/野辺山)

8月4日(日)
 朝4時起床、京阪枚方から東福寺駅でJRに乗りつぎ、京都で集合して6時42分ひかり号に乗車。 列車が走りだして座席に座る瞬間、気がついた。”自分のザックがない!” 記憶をたどると、 JR東福寺駅ホームでザックから朝食をとりだして食べた。そのあとザックを 触った記憶がない。とすると東福寺駅にてJRに乗りこむとき自転車に気を取られ、 ザックを駅のベンチに置き去りにしたに違いない。

 これまで京都クロカンのツアーでは数々の失敗をしてきた。とくにサイクリングでは この手のヘマが多かった。しかし今度のミスはかつてない大失態である。 自分だけツアーを中止して名古屋から引き返すことを、まず考えた。 しかしJR切符・財布は身につけており、自転車はある。ツアーを続けることは不可能ではない。

 携帯で妻に電話して、JR東福寺駅に問い合わせるよう頼んだ。 1時間後妻からメールが入った。ザックは無事見つかり、きょう受け取りに行くとのこと。 よかった!けど妻に大きな借りができてしまった。 また軽くコンパクトなザックを同行のKさんから借りた。

 中央本線茅野に10時半着。麦草峠(2127m)行きのバスに全員すぐ乗りこむ。 1時間余りで峠に着いた。登山者やハイカーのほか、サイクリングの人が多い。 サイクリングのイベントをやっていた。

    麦草ヒュッテで昼食をとる。カレーライスはうまかった(特にご飯が)。 毎日こんなうまいご飯が食べられるとどんなに幸せだろうか?

 自転車を組み立てて先ず白駒池に向かう。駐車場からは歩いて青苔荘に着いた。 白駒池は懐かしい。初めて訪れたのは88年1月。 それは私にとって京都クロカンでの初めてのスキーツアーであった。 テレマークスキーの板を初めて購入し、その足での参加であった。麦草ヒュッテで泊り 北八ヶ岳を縦横に滑り(歩き?)まわったものだ。

 メルヘン街道(R299)を下り、蓼科高原を経て今夜の宿、下諏訪温泉山王閣を目指す。 途中で体力に自信のある二人は予定通り、その他6人は登り坂を避けて 縄文のヴィーナスを見に尖石縄文考古館に向かう。近道をしようとして迷い、 結局普通の道にもどる。国宝の「土偶」(縄文のヴィーナス)は高さ30cmながら、 素朴で大胆なフォルム。縄文人の心がこもっているかのようだ。

 山王閣は下諏訪大社下社境内にあった。 チェックインしたあと 下着をコンビニに買いに行く。これがあれば何とかなるだろう。 汗をかいたシャツは、温泉で洗って干して寝る前には乾いていた。

 同行のSさんはサイクリングもエキスパートだが、ウクレレの名手でもあるらしい。 驚いたことにリーダーのNさんがウクレレを持参していた。 食後はSさんから歌詞カードを全員に用意してもらって、Sさんの巧みな伴奏で コーラス(斉唱)が始まる。歌詞は豊富でみんなが知っている 懐かしく楽しい歌が満載だった。京都クロカンはじめての試みで 大いに盛りあがった。

8月5日(月)
 雨模様。出発してすぐコンビニでレインコートを買う。 今日の予定はJR下諏訪駅から松本まで輪行し、そこからバスで美ヶ原へ。 そしてそこから和田峠、霧ヶ峰経由JR上諏訪駅までサイクリング。 上諏訪から輪行して小海線海尻駅下車、今夜の宿、” 八ヶ岳海尻温泉 灯明の湯”まで。ところが・・・

 雨は止みそうもない。午後はもっと悪くなるとの情報も。 雨の中、2000mの高所からの長く急な下り坂。バスは少なくあてにできない。 エスケープルートもない。つらいだけの数時間になるのではないか? 一時は行先を変えて明日の予定の野辺山、清里コースに変更したが、 駅に着いて聞いてみると 小淵沢での小海線への連絡が悪く、断念し予定通りのコースをとることになった。

 折角の美ヶ原ながら雨が降っては楽しくない。 バスの中でいろいろ検討され、上田・佐久方面は雨ではないとの情報もあって、 結局、終点の高原美術館から上田方面へのルートをとることとなった。 南を目指す予定が、反対に北に向かうこととなった訳だ。

 しかし小生としては不安で、ひとり乗ってきたバスで松本に引き返すつもりになったが、 やはり皆と同行することとした。 美ヶ原高原美術館は立派で(入館する時間はない)他にも各種施設がある。 トイレも立派だ。おかげで屋根の下でゆっくり準備をすることができ助かった。 そのうち小降りになり、軽く食事をしていよいよ出発。

 あまり利用されていないルートのようで、道はあまりよくない。 安全第一で急なヘアピンカーブを慎重にゆっくり下る。 そのうち雨はあがり、明るい見通しがでてきた。 下るにつれて気温はあがり、人家の気配が濃くなる。 和田宿に出る。旧本陣など往時の中山道の風情がある。 R152をまっすぐ北上する。道路は走りやすいが車が多い。 ずんずん走るうちにグループが分かれてしまう一幕もあったが、 しなの鉄道”大屋”駅に到着。小諸でJR小海線に乗りついで ”海尻”まで輪行するのだが発車時刻まで5分しかない。 全員袋詰めができないまま強引に乗りこみ 車中で袋詰めを完了する。

 小諸でJR小海線に乗換えてほっとするが、世の中そんなに 甘くない。乗った列車(2輌)は小海止まりとわかった。 小海で一時間待って海尻まで次の列車で2駅とのこと。 次の列車を待つよりは自転車で走ろうということになって つらい峠越えが始まる。

 ”灯明の湯”は田畑のなかにポツンとあった。 中に入るといきなり観音像があり賽銭箱もある。 何か宗教臭い。できて20年くらいとか。 我々以外に泊り客はないもよう。 浴室の天井は巨木が何本もむき出しになっている。 食事はよかった。夜は昨日に続いてウクレレによる合唱がはじまる。

8月6日(火)
 最終日。実は本日、皆と別れ小生一人であと一泊し上田、別所温泉、松代を巡って 篠ノ井まわりで帰ろうと考えていた。 昔ひとり旅で訪れたところだが、再度行きたいと思っていた。 信州の鎌倉と言われ、名刹・古刹、真田の隠し湯など見るものに事欠かない。 しかしザックを忘れ、自戒の意味も込めて無精ひげを伸ばしたままだ。 無理は避け、一人旅は断念しよう。

 今日も怪しい空模様。昨日寄らなかった海尻駅まで走る。さびれた無人駅だ。 写真を撮ったりしたあと、列車を待って四つ目の野辺山駅まで輪行する。 野辺山は観光地らしくおしゃれな感じの駅前風景だ。 JR最高地点に立ち寄り清里へ。時間がなく昼食もカットして、 その代わりアイスクリームや牛乳で腹ごしらえ。温泉施設”スパティオ小淵沢”を 目指して南下。

 野辺山から小淵沢までは下り坂のはずであったが、なかなかそうはいかない。 上り坂が長ければ、耐えきれず自転車を降りて歩いてしまう。一度歩くと 歩き癖がつき、わずかな上りで我慢せずに歩いてしまう。 温泉で汗を流したあと、JR小淵沢までのサイクリングでまた汗をかくのではないか と思ったが駅は意外に近かった。

弁当を買って塩尻、名古屋で乗り換え、帰宅したのは7時半であった。 件の赤いザックは主より先に帰宅していた。やれやれ。

参加者:男性5名、女性3名。 走行距離:初日35km、2日目   ?、3日目   ?

(掲載の、いくつかの小さい写真はネットから借用しております)



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